本人が申請しないから有給休暇を与えていない。それは違法です。
コラム
2023/10/01
年5日分を確実に取得させる
法改正により平成31年4月から年次有給休暇の使用者側からの時季指定が義務化されていますが、まだまだ実施できていない企業が多いようです。時季指定義務とは、年休のうち5日分について使用者側から時季を指定して取得させなければならないというものです。「年休は5日以上消化するようにしてください」などと声をかけるだけでは不十分で、「あなたは〇月〇日に取得してください」と労働者ごとに時季も指定して確実に取得させなければなりません。
なお、時季を指定するにあたっては、労働者本人の希望に配慮するよう求められています。
10日以上付与した人が対象
使用者側から時季指定する必要があるのは、年休の付与日数が年10日以上の労働者です。正社員やフルタイムの契約社員などはもちろん、比例付与の対象(所定労働時間が週30時間未満で所定労働日数が週4日以下)となるパートタイマーであっても勤続年数が数年経過することで付与日数が年10日以上となった場合は対象です。しかしあくまでも、その年の付与日数が10日以上の人が対象です。繰り越した日数を見る必要はありません。
年休管理簿を作成して3年保存
基準日(年休が発生した日)から1年以内に、労働者ごとに時季を定めなければなりません。対象者が誰なのか、いつ取得させるか、実際にいつ取得できたかなど、労働者一人一人の年休の取得状況を把握しなければなりません。そのため年休の管理簿を作成し、3年間保存することも義務付けられています。
労働者がすでに消化したときは
5日分の時季指定をしていたとしても、たとえば計画的付与や労働者が自ら申し出て3日分を消化したのであれば、使用者から時季を指定して与える義務は2日分になります。労働者が5日分以上取得したのであれば、もう時季指定する義務はありません。逆に、法律上の義務が無くなったのに「〇月〇日に取得しなさい」と命じることはできません。
半日単位、時間単位は?
年休は原則として1日単位で与えるものですが、本人が希望し使用者が認めるのであれば半日(0.5日)単位での取得も可能です。使用者側からの時季指定においても、「本人が希望する場合」は半日単位でも差し支えないとされています。なお、時間単位の取得については労使協定など一定要件を満たせば可能ですが、使用者側からの時季指定においては、たとえ労働者が希望したとしても時間単位は認められません。
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